山田六郎 weblog

大阪名物くいだおれ創業者山田六郎の孫にして同姓同名である、経営/観光/広報コンサルタント山田六郎が実名で執筆する有責任ブログ
経営学や観光振興についての諸問題が一応テーマですが、身辺雑記、論理的哲学的思考からみた世の中の矛盾についても書いてます。
皮肉と毒舌は個性ということで、ご勘弁を。
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観光振興のE Environment

2010/02/12 金 | 研究 > 観光学 > 観光振興のAtoZ

ようやく具体的なテクニックの話となり、経営学との融合っぽくなるのだが、ここでいうEnvironmentとは環境問題の話ではない。

自己の強み弱みを分析するにあたって、競合となるだろう、またアイディアが重複しないように周辺の観光地の調査が必要だということである。

その自然や風土によって、また政治経済や産業の構成により文化や生活習慣が形付けられるがごとく、日本全体の環境の調査、わがまちの環境の調査、そして観光客マーケットの調査、これは必須である。

それは、よその真似をするためではなく、むしろよその真似をしないためにも必須の調査なのです。
たとえば、最寄りの大都会の人口動態はどうか、少子高齢化といわれているがそのとおりなのか、そこに住む人たちの我がまちに対する今のイメージはどうなのか。
そして、そこからのアクセスの難易度はどうなのか、利用していただくことについての阻害要因はあるのかないのか。

また、マーケット調査もさることながら、競合についての調査も同じように大切な調査であります。
自分のまちだけが観光振興に頑張っているわけではありません、よそも同じように死に物狂いで取り組んで、地域間競争なのです。
そして、マーケットのパイは限られています。
交通機関の輸送能力にも限界がありますし、まだまだ外国人を呼ぶにしても大幅な増加は望めず、如何に隣に十倍の人口を持つ国が高度成長しているとはいえ、そこからの観光客も政治的系在廷要因から無尽蔵とも言いきれません。そして情報の限られたそれら外国人は、そこがいっぱいになったからといってわがまちに来てくれるとは限りません。むしろよその国に行ってしまうでしょう。

同じような古い屋敷を改造した観光施設、同じような体験コーナー、同じような温泉街、同じような道の駅、同じように冬には海辺でかに料理をだし、山の中でもマグロの刺身を出し、どこも同じような表面のデザインだけ違う土産物。

日本の古典的な観光地の姿ですが、
自分が観光客として、そこへ行こうと思うきっかけはなんだろう?
マスコミへの露出なら、気の利いたパブリッシング技術がないならば、単純に予算の多少によって優劣が決まってくる。もしくは既存の知名度か。
大都会からのアクセスでも違ってくる、あまり代わり映えしないような売り物なら飽きてくるし、次はよそにいくやもしれない。
顧客が固定化して、その口コミによって評判を確定し、加速度的に顧客を増やさないと、労力と予算ばかり費やすが効果は限定的である、観光客を3倍に増やすなど夢のまた夢だ。
同じような金太郎飴的な魅力しかない観光地にとっては、まさにサバイバルゲームなのです。

競合する地域の売り物としている魅力は何なのか?表面上の世間で言われている魅力のみならず、本質的な顧客へ提供している価値まで掘り下げてみよう。
特産品は重複しないのか、先に効果をあげつつある取り組みはあるのか、その発想はどうであり、どのマーケットを想定して狙っているのか、その取り組みに矛盾や隙はないのか。

せっかく考えた振興策が、二番煎じとのそしりを受けないためにも、独自性を発揮できる施策でありうるのか、よく調査する必要がある。

MBAで習う経営戦略で、もはや古典のように人口に膾炙しているPEST分析も、3C分析も、SWOT分析も、まずは自己の分析と競合の分析、外部環境の分析から入るのだ。
観光振興もまた、他地方からの観光客を如何に誘致してくるか、魅力を感じてもらって顧客になってもらうかの営業活動であるからして、競合やマーケットの分析や経営環境の分析をするのは誰でもわかる当然の理なのだ。

だからこそ、よその真似をしないで独自性を打ち出すためにも、競合となる観光地、ベンチマークとしても調査と研究が必要となってくる。
観光振興の環境分析は経営学の視点で徹底的に行う。

そしてそれを理解したならば、規模や利便性で不毛な消耗戦に突入するのではなく、別の独自の、模倣困難性をもった魅力を打ち出してそれを集中的にアピールして、潜在顧客を増やし、また顧客満足度を高める。

如何に良い観光資源を持っていても、それが普遍的なものなら価値は半減。 また社会環境の観点からもターゲットのマーケットが魅力を感じないようでは集客エンジンとはなり得ない。
なにを魅力として打ち出し、持てる経営資源を集中して投入すべきか、その判断はここにかかっているのです。
author : 山田六郎 | comments (0) | trackbacks (0)

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