山田六郎 weblog

大阪名物くいだおれ創業者山田六郎の孫にして同姓同名である、経営/観光/広報コンサルタント山田六郎が実名で執筆する有責任ブログ
経営学や観光振興についての諸問題が一応テーマですが、身辺雑記、論理的哲学的思考からみた世の中の矛盾についても書いてます。
皮肉と毒舌は個性ということで、ご勘弁を。
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観光振興のL Landmark

2010/03/16 火 | 研究 > 観光学 > 観光振興のAtoZ

観光地がよそと競争するための差別化要因として、お楽しみの対象として挙げられるのはまず温泉、名物料理、旅館ということになる。あとは地域の産業とか特産物の土産物とかがすぐに浮かぶところ。
だけど、やはり観光と称するからにはそこに行かなければ見れない、見るべきもの、見物するものというものが欠かせない。

だが、その見物するものが箱物の中に入っている展示物だけというと途端に印象が薄れるのものだ。
同じことは食べ物にも言える、そこで何が食べられるという名物は大切だけど、だったらお取り寄せでええやんということになりかねない。
もしくは施設と施設をバスで行き来する旧来型観光で事足りてしまう。
となると、昔の旅館のビジネスモデルと同じ、全部同じ旅館やホテルで観光客を囲い込もうと言う話になる。
プライベートビーチとか、窓から見える海の景色とか、各業者の独占する設備競争になってしまう。
だが、案外そういうところは全国どこでもアピールする点が似通ってくる、差別化要素がうすく、おもしろくもなんともない。
しかしそうなれば、それはその業者が個別に企業努力すればいいことであり、そこからの税金で町がなりたっているという既存観光地だけが産業対策として頑張ればいいだけの話。
しかし、町おこし系の観光を指向するのならば、地域全体で楽しめる観光地として面の広がりにしていかなければ本末転倒。
そして、ぶらりとお散歩していただくなり、思い思いにドライブしていただき、町にどっぷり入り込んで満喫してもらわねばならない。

だが、町の魅力、人の魅力といっても個人差がある。メディアを使ってヤラセのようにおもしろい人を登場させても一過性、なかなか分かりにくい。わざわざ行く価値を見出してもらうためにはそれなりの期待感を事前に持ってもらわねばならない。

また、記念写真や個人で撮った動画をつかって観光客にその楽しさを自主的に伝えてもらう役割を期待するには、マスコミ同様、目に見て訴える象徴的なものが必要となる。加速度的に観光客を増やし観光振興させるためには印象的な光景が、またそこならではと行きたくなるような気持ちにさせるためにはとりわけその町ならではの独自の景観やらモニュメントといった名物が鍵となってくる。

景観といっても、景色のみを指すものではない。広く観光客に印象づけられる、その土地ならではの光景であればよい。
たとえば、道頓堀の看板人形、くいだおれ太郎にしても、無料で撮影しまくれたので、お店にはなんの見返りもなかったのだが、大阪を象徴するランドマークとしての存在意義を提供し、大阪ミナミへの集客に結果的に貢献してきた。
みんな、くいだおれ太郎と写真をとろうと道頓堀に集まってくる。
ここで注目すべきなのは、その人形の意味や来歴すら理解していない人が大阪観光の象徴としての記念スポットとして来阪する前から予定に入れて集まってくる現象である。
町の魅力や楽しさはあれこれあるけれど、それを象徴するアイコンとしての役割が人形であり、ある場所からの景勝であるのだ。

雄大だとか、歴史があるとか、そのもの自体が素晴らしいという要素ももちろん必要なのだが、それとは別にそこにわざわざ来たという記念写真撮影というイベントを提供するという役割がある。

来訪する前から強い印象を与え来訪目的の一つになるとともに、そこに行けば必ずや見れる、会える、そこに行った記念になるという「お楽しみを約束する」存在でなければならない。
だから、季節毎特定の日だけ見られるものではなく、年中もしくは観光シーズン通期で楽しめるものであることが理想だ。

だが、そういうずっと見れる景観やモニュメントならばなんでもいいというわけにもいかない。
それは象徴として目に見える存在だが、よくよくしらべれば深い歴史や文化の物語、そしてそこならではの素晴らしさがわかる、観光地の価値の裏付けがなければならない。

くいだおれ太郎にしても、知らない人から見ればタダの派手な動く人形だが、その裏には大阪商人の暖簾を大切にする心、時代を読む先見性、マーケティングの思想、芝居町道頓堀における文楽人形の伝統、そういった深い意味合いがあったのだ。
巨大な仏様を作ればそれでいいといった安直なものではないことはご理解いただきたい。
author : 山田六郎 | comments (0) | trackbacks (0)

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