山田六郎 weblog

大阪名物くいだおれ創業者山田六郎の孫にして同姓同名である、経営/観光/広報コンサルタント山田六郎が実名で執筆する有責任ブログ
経営学や観光振興についての諸問題が一応テーマですが、身辺雑記、論理的哲学的思考からみた世の中の矛盾についても書いてます。
皮肉と毒舌は個性ということで、ご勘弁を。
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障害者雇用促進法のペナルティについて

2010/03/27 土 | 研究 > 経営学

障害者雇用促進法のペナルティで、雇用率が低いままだという企業が全国ニュースで晒された。
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010032601000704.html

金曜の夕方配信ということで、企業広報としてはやや有利(土日のうちに内部対策がとれるから、しかし会社として対処できないうちに風評が広がるリスクもあり)な甘めの公表ながら、悪質な企業の晒し上げが行われたのだ。

正直、この種の企業は労働関係の官公庁を甘く見くびっているきらいがある。しかし忘れてはならないのは、滅多に行使されないにせよ、労働基準監督官などにも逮捕権があり悪質なところは指導のみならずいきなり逮捕されうること。

「雇用計画の作成を命令し、その後も勧告や指導を続けてきたが改善が見られないため企業名を公表した。」
という報道には、冷静さを装いつつも悪質さを強調。
記事を読む人への印象は、いかにも悪徳企業!なんだこいつら? と完全に勧善懲悪時代劇の悪役となってしまった。
しかも、今般晒された企業を見ると、過酷な労働環境のIT系はまだしも、人材を売って商売してる人材派遣会社とか、イメージがものをいう女性消費者相手の企業とか、いずれもホームページは立派で綺麗でIRっぽい表記もあるけれど、この金曜日夕方の件についてなんら記述がないところばかり。
経営者や広報担当者はきちんと仕事してるんだろうか?
(そもそも仕事ができてないから、こうやって晒されるわけだが)

さぞかし勤めている人はこの土日、そして週明けにも肩身が狭い思いをすることだろう。
逆に開き直るような企業風土ならブラック企業決定だ。
これから雇用状況は好転するやもしれないが、それでも人材の確保には不利に働く。

いずれにせよ、企業のリスク管理が甘すぎたには違いない。
中央官庁によって悪質企業として全国規模で天下に晒されるのは、こっそり国税に追徴課税されるよりも、企業広報的にはもっともっとダメージが大きい。

その上、橋下知事等、ひときわ影響力が強い行政の長も障害者雇用しないところには府の入札には参加させない等と言っている。
どうして、それら不利な要因を勘案しても、せめて指導されたぐらいの割合の障害者を雇用をしなかったのか不思議でならない。
逆に募集しても応募してもらえないような内容の会社だったのか?と思えたりします。

障害といっても多種多様で、業務に直接支障のない人を雇うことも十分可能です。
しかも助成金やら、それに掛けた投資その他に対しての優遇税制とおいしいことだらけ。
内臓疾患や、知的障害でもダウン症などでは健常者とあまり変わらない程度の人もいます。
精神障害者とされる人の中でも鬱病などが含まれ、むしろ人一倍真面目なタイプが大勢います。(但し精神障害は雇用率の規制なし)

ですが、いまだなお障害者の雇用は偏見や無知から厳しい面があり、だからこそ多少の配慮をすることで、むしろ一生懸命働く真面目な人材を確保できるのです。
そして、その受け入れを検討し準備をすることが業務内容の精査や分析のきっかけともなり、間接コストの把握、作業効率の改善といった副次効果すら期待できたりするのです。

なのにそれをしないということは、投資家にとっても経営者はコンプライアンス無視、かつ企業をリスクに晒し、障害者に対しても無知なのか偏見を持っているような、時代遅れの無能な人という印象すら与え兼ねません。

このあたりは実のところ中小企業にとっては面倒くさいのですが、上場企業を目指すにはIRにも顧客イメージにも有利となる社会貢献の一つではと思います。
事実、投資ファンドなども、CSRに熱心な会社を集めたファンドを組んだりもしていますし、因果関係は不明ですが社会貢献に熱心な会社は株価が高く評価される傾向にあります。

障害者雇用の助成金については
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/joseikin.html 
優遇税制については
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/dl/zeisei.pdf



(以下引用)

障害者雇用率低い7社を公表 厚生労働省

 厚生労働省は26日、度重なる指導にもかかわらず障害者の雇用率が低いままだとして、障害者雇用促進法に基づくペナルティーで美容業のビューティトップヤマノ(東京)など計7社の企業名を公表した。

 他の6社は、コンピューター・ソフト販売の日本ICS(大阪市)、情報処理サービスの関越ソフトウェア(川崎市)、人材派遣業のインクスエンジニアリング(東京)、スクール経営のRAJA(同)、情報通信サービス業の日本サード・パーティ(同)、婦人靴小売業のアカクラ(同)。

 民間企業の障害者の法定雇用率は1・8%だが、7社はこれを大きく下回って推移。厚労省は7社に雇用計画の作成を命令し、その後も勧告や指導を続けてきたが改善が見られないため企業名を公表した。
2010/03/26 17:21 【共同通信】
author : 山田六郎 | comments (2) | trackbacks (0)

Comment

ソシオ | 2010/03/27 20:26
福祉系学科にも行っていたりするのですが、つい最近までは、「経営コンサルタント」と称する人が、障害者を受け容れのための設備投資するよりも、罰金の方が安いですよという「指導」をしていることも少なくなくなかったんですよね。
とんだバッタ者もの「コンサルト」なんですが・・・・。
そういう話を企業とコンサルタントの両側から聞いたことがあります。
そういうことも関係しているのかもしれないですね。
もちろん、そういうコンサルタントと契約する方の問題があることは間違いないのですが。
山田六郎 | 2010/04/01 22:53
ソシオさんこんにちは

実際には、罰金のほうがマシというのは、そういう経済的インセンティブが働いていたのでしょう。
ですが、役所も面子がありますからムキになって政策目標は達成しようとします。
公表ということになれば、経済的利益以上に広報面で負のインセンティブが効きますから結構なことです。
目先の利益よりも、長期の視点にたって企業価値を上げていくのが本来のあるべき経営者ですし、その中には社会に対する企業責任も当然含まれます。
1.8%を達成が条件となると、逆算すれば56人以上の常雇の従業員です。となれば中小企業でもそこそこの規模ですね。
経営コンサルタントには、財務会計系や人事系、戦略系などいろいろがありますが、案外広報が得意部門というのは私の知る限りあまりありません。儲け優先でレピュテーションリスクを甘く見るからソシオさんのおっしゃるような指導が横行するのでしょう。
まだまだ日本の企業にはPRのプロを雇うという習慣や発想がないんでしょうね。








 


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