山田六郎 weblog

大阪名物くいだおれ創業者山田六郎の孫にして同姓同名である、経営/観光/広報コンサルタント山田六郎が実名で執筆する有責任ブログ
経営学や観光振興についての諸問題が一応テーマですが、身辺雑記、論理的哲学的思考からみた世の中の矛盾についても書いてます。
皮肉と毒舌は個性ということで、ご勘弁を。
<< 観光振興のP Person | TOP | 観光振興のR Religion >>

観光振興のQ Quality

2010/04/08 木 | 研究 > 観光学 > 観光振興のAtoZ

観光振興を地域で戦略的組織的に推進するにあたり、考えなければならないのがその品質管理。
品質といっても多種多様。衛生面やサービス面いろいろあるから、基本的な考え方を述べたいと思う。

観光地がブランドとなっていくにつれ、お客様の事前の期待はふくらんでいきます。それに応えるように満足度を上げないとがっかりするお客様が増え、さほど期待していない場合よりも反対のダメージが大きくなる。

品質とは、事前の期待を裏切らない、そのブランドの根本的な価値や魅力を裏付けするものでなければいけません。

だから、仕組みとして人気を再生産し、評判を落とさないためにも、その品質の裏付けについては、主体となるところがきちんと保証しないといけないのです。
主体が、一つの企業であり、統制が行き届いていればそこのトップがしっかりしておればあまり問題は起きません。
内部の連絡や指導が行き届いていないてんでばらばらなところはともかく(でも実際にはそういうところが多い)、これだ!と決めたことを徹底するのは比較的やりやすい。

だけど、協議会とか行政とかNPOとか寄り合い所帯の旗振り役の場合、各構成員は独立した存在なので、その周知徹底と品質維持の管理が問題となります。

よその名声に便乗し、自分のところだけ手を抜いて儲けるだけ儲けてやろうという手合はどこにでも発生する。国を挙げてそれやってるところもあるけれど、日本はそうではない。期待度は高いが故に、裏切られたときの反動もがっかり感も大きい。そして、それがたとえ1%以下の存在であったとしても、ブランドは大きく傷つく。

だからこそ、品質管理の徹底が必要なのです。

品質は、サービスであれなんであれ、オープンにするべきもの、できれば数値で明確にすること。
それはお客様に対する公約であります。公約として公開されたものだから誰もがそういう基準であることを期待もされるし、遵守が義務となる。

たとえば、挨拶一つにしても、地元の方言を使いますとか、かならずお見送りいたします。とか当たり前のことこそ基準に盛り込む。
景観についての条例もまた品質の一つ。
それらは新しく参加する従業員への価値基準の教育水準ともなり、暗黙知から公開された知識ともなっていく。

数値目標でいえば、たとえば料理の原価は?%以上、温泉のお湯は源泉?%以上というものでもいい。
むしろ、こういうお客に無関係な業界の、暗黙の常識こそまず叩き壊していく。それは品質基準としては強いインパクトを与えやすいのです。

お金をかけないことでも、基準として誇るのもよい。
街や部屋の飾りは地元の山でとれた花のみ使用です。などもユニークでしょう。

公共政策的な社会貢献公約も結構です。

温泉街でいえば、託児所完備だとか、母子家庭を支援してますとか、障害者への配慮はこれこれここまでやってますとか、社会的関心の高いものを、わざとらしくではなく自然に盛り込むと良いでしょう。
ハンセン氏病患者を拒否して廃業したどこぞの旅館の事件とかが起きたときにプレスリリースをやったら全国放送で取り上げられる可能性がぐーんと増えます。だけどそれは狙ってではなくずっと前から取り組むことが大切なことは言うまでもありません。

お客様がよそではなくそこへ訪れ、旅行を楽しむことへの期待と満足度を高めるためのものであればなんでもかまわないのですが、そういった基準を維持するのは企画するより何倍もむずかしい。

そこで、守らない業者や家へのペナルティを設けることが必要となってきます。
ブランドについては、集合体が商標権などの形で管理し、そのライセンスは品質基準を遵守するところだけに許可する。

農産物の地域ブランドなどではあたりまえに行われている制度を応用するのです。
そして厳しく自らを律する。リーダーをやっている人の経営する会社などは率先してさらに厳しい基準を守っていく。
そもそもリーダーがやらないことを誰が熱心にやりましょうか?

苦しいこともあるだろうけど、それがさらなる尊敬と信用につながるのです。
author : 山田六郎 | comments (0) | trackbacks (0)

Comment









 


Trackback

Trackback URL :