山田六郎 weblog

大阪名物くいだおれ創業者山田六郎の孫にして同姓同名である、経営/観光/広報コンサルタント山田六郎が実名で執筆する有責任ブログ
経営学や観光振興についての諸問題が一応テーマですが、身辺雑記、論理的哲学的思考からみた世の中の矛盾についても書いてます。
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レディ・ワシントン船長は「司令官」?

2010/07/28 水 | 趣味 > オタク

時事ということでもない、朝テレビ朝日制作の「スーパーモーニング」をみていて思ったことだけど。

浦賀にペリーが来る61年前、すでにアメリカの船が串本にやってきていた話というのをテレビでやっていた。
串本町にその記念館があり、レディ・ワシントン号という船だそうだ。
紀伊大島に漂流してきたということになっているが、実は日本に対して通商を求めてやってきたらしいということだった。
太平洋を渡り3年の航海ののち、アジアを歴訪し、日本にはラッコの毛皮を売ろうと持ってきたけど売れんかった。
そりゃそうやろ、串本暑いもん。

幕府の資料は3つに対してアメリカ側は500を超えるとか日本での認識の低さを嘆くような話だったのだが、そこであれ??と思ったことがある。
船長のサインがキャプテンではなくコマンダーだ、だから船長ではなく司令官として国を代表して日本にやってきたのだという説明。
単なる船長以上の存在だったのだとか言ってたような気がする。

たしかにアメリカの国を代表して通商を開くよう求めてきたのは事実だろうが、コマンダーだから司令官だろうという説、海軍の階級呼称や船乗りの世界について多少知識がある人なら疑う話。
船の世界、それも帆船の時代には、軍艦と商船の構造上の区別は厳密にはなかった。
パイレーツ・オブ・カリビアンみたいな時代、王様が免許与えて海賊を公認していたのと同時に、海での略奪行為と対立国との戦争がごっちゃごちゃになっていた時代。
戦闘専用の船が無かったということでもないが、普通の商船をチャーターして軍人が乗り込んで武装したらそれは軍艦になる。
実際、このレディ・ワシントン号を再現して建造された船はパイレーツ・オブ・カリビアンの映画に出演していたらしいし、オリジナルの船も商船ながら独立戦争当時は私掠船として活躍していたそうだ。
そもそも軍艦専用の船なんかなかったし、大砲もまともに届いて相手を沈めるだけの威力も無かった。
普通の商船に陸軍軍人が乗り込んで、相手の船に接舷して刀とピストル(それも火縄銃みたいなの)を武器に切り込みをかけるのが海戦だったのだ、そこで戦うのが海兵隊員でその伝統からか海兵隊は陸軍みたいな服や規律なのだ。
そんなときからの伝統があるのが欧米の海軍。
だから、階級章もまた、海軍と商船では実は共通していたし、今もそうだ。

服の袖に巻いた金モールの線。その数で階級を表している。
商船の場合、4本線が船長、3本で一等航海士、2本で二等航海士、1本で三等航海士という具合だ。
この慣習が空にも波及して、民間航空でもパイロットである機長の袖章は4本、副操縦士は3本だ。

昔の欧米の海軍もまたこれに習った。
4本線が大佐であって大体が艦長、英語でCaptain
3本線が少佐、同じくCommander
2本線が大尉、同じくLieutenant
1本線が少尉、同じくEnsign
中佐や中尉はない、日本も陸軍に合わせて中佐や中尉が出来るまでは、大佐の下は少佐、大尉、少尉だった。
その名残か、あとから付け加えられた階級が旧少佐と大尉の間がLieutenant Commanderで、これが新少佐となって旧少佐が中佐となった、袖の線は2本線に細い線1本、
同じく旧大尉と旧少尉の間に中尉が入って英語ではLieutenant Junior grade、袖の線は1本線に細い線一本。

長々と説明したが、これでレディ・ワシントン号の船長は実は「司令官」ではなくてキャプテンよりは下の階級である少佐だったのかもしれないのではないかと思うのだ。
ちなみに、米海軍でも海上自衛隊でも3本線のCommanderから帽子のひさしに刺繍の飾りがつく。
アメリカではスクランブルドエッグ、日本ではカレーライスと俗称しているこれは、艦長となりえる階級以上ということを示すためのものだそうだ。
小型の魚雷艇やらミサイル艇なんかだったら少佐でも船長にはなれるのだが、艦と名前がつく規模であれば少なくとも今の中佐(Commander)からだ。
(だからジパングで三佐である菊池や尾栗がこれ被ってるのは明らかに間違い)
レディ・ワシントン号のケンドリック船長は、実は海軍(旧)少佐の資格をもつ船長だったのかもしれない。

それにしてもだ、無性にヨットに乗りたくなった!!
小型船舶の一級免許が財布の中で泣いてるよぉ
author : 山田六郎 | comments (0) | trackbacks (0)

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