山田六郎 weblog

大阪名物くいだおれ創業者山田六郎の孫にして同姓同名である、経営/観光/広報コンサルタント山田六郎が実名で執筆する有責任ブログ
経営学や観光振興についての諸問題が一応テーマですが、身辺雑記、論理的哲学的思考からみた世の中の矛盾についても書いてます。
皮肉と毒舌は個性ということで、ご勘弁を。
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MICE推進を本気でやる気あるの?やれるの?

2010/09/16 木 | 研究 > 観光学

昨今、観光振興の分野で、観光庁が音頭をとってMICEを推進とか言っている。
なんでしょうこれ。もっと解りやすく書かなければならないのにあいも変わらず横文字だらけ(同じこと批判された)

モレなくダブりなくのMECEかとおもったら違った。
MICEとは

M eeting …企業の会議
I ncentive …ご褒美旅行
C onvention …学会やらの国際会議
E vent(or Exhibition) …見本市、展示会、スポーツ大会

の頭文字らしい。
こういう事を数値目標を掲げて誘致推進するらしい。なんとも陳腐で場当たりな話である。
なんで私が陳腐だといったかといえば、これら別に新しい概念ではないからである。
竹村健一は、もう30年以上前に関空にからめて、大阪もコンベンション都市を目指すべきで、そうなら東京の顔をうかがって東京のミニ版の規模でなく圧倒する規模を目指しなさいと提言していた。
なるほどと思ったが、需要は無かった。
大阪だから無いのではなく、大阪に来るべき需要を全部東京が横取りしようさせようと国が動いていた。
こういう地方の取り組みを頭から潰していこうなんでも東京が一番にしなければならないとか思っている邪魔な霞が関が日本の発展すべてをぶち壊している。
果たして何でもかんでもこういうものを東京に集中させるのが「日本を繁栄させるため」の国家戦略なのだろうか?
ハブ港湾にしても、京浜と阪神が選ばれたが最初から京浜は自分が選ばれて当然、首都圏なんだからと胡座をかいていたことが報道されている。
だが、あの狭い浦賀水道を通る過密の東京・横浜の港を世界のハブにすること自体が戦略的ではない。
京浜はディストネーション(目的地)ではあってもハブ(結節点)にするには不利なのである。
私なら、阪神と沖縄を指定する。地理的に有利だからだ。
瀬戸内海を含めたところの阪神をハブとして国内の貨物を集中して外航へつなぐ機能、もうひとつは沖縄に国際物流のハブにしてこれは外国から外国へのスルーとする。

愚痴が過ぎたが、一方でもう、30年以上前からきちんと国家戦略としてMICEをやっている国がある。
シンガポールである。

この、淡路島ほどしかない狭い、臭いからと農業を禁止して水すら隣国からの供給に頼っている奇妙な独裁国家は、小さいが故に独裁であるが故に通商国家としての産業育成に生き残り戦略をかけてきた。
外国から資本や優秀な人材が集まってかりそめでも交易や金融の中心地となることで高付加価値の産業を振興させ、生き残ろうとする。

そのための一環として、そんな昔からコンベンション都市として名乗りを上げて積極的に国際会議やらなにやらを誘致してきた。

英国の植民地だったから英語が使える優位性もあるが、その上に広東語が中心の圧倒的多数の華人住民に北京語を強制し、speak mandarinキャンペーンをやったり。
ハブ空港、ハブ港湾、すべてアジアはもとより世界最大規模、世界一を目標に戦略的に国家資源を配分して整備する。
税制だって金融キャピタルゲインは無税。
街が汚れるからとガムの輸入すら禁止、ポイ捨てには容赦なく罰金。
finesingapore日本なら業者や労働者がゴネるところを強権でもってもうはるか昔から24時間稼働させて、国家としてお客様第一主義を貫いてきた。
遊べる施設も増やし、セントーサなどのリゾートもカジノもナイトサファリも充実させ、会議に随伴してきた家族も楽しめるように整備してきた。

良いか悪いか民主的かは別として、国家としての生き残りの為に強烈なリーダーシップで国家や国民のあり方まで定義し目標を掲げ、あるべき姿に変えて行った。
なにか新しいことをやろう、国家間競争に負けないようにしようとすれば途端にあちこちから足を引っ張られる日本には到底マネができないことである。

その結果どうなったか?
もはやアジアの金融の中心は東京など脱出して香港、上海と覇を争う。そりゃ当然そっちのほうが有利だから。
誘致コンベンションの数も圧倒、取扱いコンテナの数も圧倒。
有利なのにやれない日本。表面だけこういう成功している国をマネしたってそりゃ無理でしょう。勝てっこない。

今の成功している事象だけマネしても、後からどんどん新しいことをされていく。それをマネしたらまたあっちは先に進んでいる。
国家に生き残りの為の産業戦略が無いからこうなるのだ。
その原因は親方日の丸と脆弱な経済大国意識による危機感のなさ。

確かに、数多くの個人旅行者や旅行会社にキャンペーンを行うよりは、こういう主催者が大口の観光客を動かせる顔の見える相手に直接働きかけた方が営業効率は良いだろう。
でもコンベンション都市のあり方、MICEにしても表面上成功しているところを真似して数字を上げてやろうという役所のせこい根性丸見えでいただけない。

形だけ誘致しようとしても、果たしてお客様第一主義に徹せられるだけの環境を用意できているかは問題である。
カジノの誘致しかり、テーマパークのアトラクションなどへの規制緩和然り、入国ビザ然り。国民への英語教育にしても何にしても観光庁だけ頑張っても限界がある。それらを突破してでもやれと突き進めるだけの政治的リーダーシップもなにもない。
たとえば、apple社のCEOであるスティーヴ・ジョブスが関空を出国するにあたり手裏剣を摘発されてキレた話がでていたが、これらはプライベートジェットに対する配慮や設備が無かったからだという。
だったら、例えば神戸空港をプライベートジェットに対応させ、通常は港の係官をあまり需要のないプライベートジェットの飛来時にそちらへ振り分けて対応する体制を置くなりすれば解決するのではないか?
そういうお客様第一の利用者視線の発想より、役所の管轄やらの身内の論理が優先するからたやすくこういう解決方法があるよと観光庁の内部からのアイディアが出てこないのだ。

まだまだこの国には危機感が足りない。
危機感がないから、島を盗もうと画策している隣国と友好関係を進めようとして、してやられる一方なのだ。
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