山田六郎 weblog

大阪名物くいだおれ創業者山田六郎の孫にして同姓同名である、経営/観光/広報コンサルタント山田六郎が実名で執筆する有責任ブログ
経営学や観光振興についての諸問題が一応テーマですが、身辺雑記、論理的哲学的思考からみた世の中の矛盾についても書いてます。
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ヤン坊マー坊天気予報のすごさ

2009/04/20 月 | 研究 > 広報

いまさらながら、というか今頃気づいたことがある、経営学の観点から見てヤン坊マー坊天気予報のすごさを。

もう、あの二人の男の子のアニメと歌は誰でも知っている。調べてみると昭和34年のテレビの黎明期からやっているCMである。
マーケティングとブランド構築の面からみてなんとも巧妙かつ持続的な戦略だろうと感心する。

ヤンマーの主力商品は、農機、船舶エンジン、建設機械などである。
主要顧客は第一次産業及び建設業であり、当然ながら天候に強く左右される。特に漁業において天候は、時には生死を分ける重要情報である。
また、その需要者からみての自社商品の位置づけは業務持続の命運を左右し、また人命も左右する、大海原でエンジンが止まれば死を意味するのだ、また農家にとっても年に一度の収入によって資金を手当てする必要があり、地方でメンテナンスも不十分なまま酷使されその年の業務を担う機械は性能もさることながら信頼性が一番重要であるからである。
だから導入には自己の命運をかけるだけの意思決定を要求される重要商品である。気軽に買い換えたりするものではなく、また業務用なのでファッション性よりも耐久性や信頼性が重視される性質がある。

天気予報はおおむね18時の終わりから19時間際に放映されている。全国それぞれのローカル局で地域にあった天気予報番組を提供している。
この時間帯、都市のホワイトカラーなら残業しているか仲間と呑んでいるかの時間だが、ガテン系や第一次産業、屋外での現業に従事する人々にとっては帰宅して家族で食卓を囲む時間帯である。現に私の本家筋の田舎の家では19時ごろに夕食をとっていた。今の当主は地方公務員(教師;但し定年で恩給生活)であり、従兄弟もみな農業に従事せず医師だったり歯科医だったり金融機関職員だったりするのだが、それでもこの時間が長年の習慣になっているのだろう。

主要顧客にとって、一番テレビを見ている時間帯に、一番関心のある情報を提供し、そこで自社のプレゼンスを高める。
もう、これ以上なにも望むことはないぐらい最適化されたスポンサー形態である。

そして、そこでは個別商品ではなく大まかなブランドイメージを徹底的に刷り込む。
昭和34年だから、私より上の世代でも生まれたときからCMに親しんでいるし、天気予報を知らなくてもあのキャラや歌ぐらいは知っている。
そして歌も秀逸。「きみもぼくも」とか、「農家の機械も・・・漁船のエンジン・・・建設機械もみなヤンマー」と信頼性を訴えかつ、日本の農村部のマインドであるみんな同じなら安心という心の琴線に触れる。 沈没船ジョークで「みんな飛び込んでいますよ」と訴えよという日本人への説得方法である。
バックに流れる映像も農業の現場だったり、建設現場だったり、泥臭くおしゃれでもない、しかし主要顧客の親近感はがっちりつかむ。
最後には「動かす力だ」とパワフルさのアピールも忘れない。

かくして、ヤンマーブランドはヤンマーの主要顧客に対し、信頼性、安心感という確固たるブランドイメージを幼少期から刷り込んでいく。同じ歌とキャラクターを変えず長期戦略でブランドを構築していく。個別の商品ではないが、共通するマルチな産業に共通する客層にアピールしていく。そしてそれは永遠に。
ブレないイメージ訴求の持続こそが力でありブランドの底力であることを改めて見せ付けられる事例である。
author : 山田六郎 | comments (0) | trackbacks (0)

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