カリフォルニア州で、大麻を合法化し、税金をとろうという動きがある。深刻な財政危機、シュワルツネッガー知事も乗り気みたい。
医療用として事実上だれでも買えるし、ドラッグとしての害もさほどないし、だったら公認して税金とれって話なのだろう。至極全うな話だ。
昔々、椰子(ココナッツ)は亡国の木と呼ばれていた。
別にココナッツ食っておかしくなるのではない、むしろ産業的に有用であるのである、有用であるが故に亡国の木と呼ばれていた。
具体的には、南国の島で人間一人当たり椰子の木5本あったら何も困ることはない。
食用にもなるし、繊維もとれる、燃料にもなる、だから働く必要がない、だから人々は働かなくなるから国が滅びる、だから椰子は亡国の木だというロジックである。
これらは戦前、南洋進出の際に現地住民を無能だときめつけた日本人の勝手な決めつけでもある。
これを日本に翻せば、大麻はその亡国の木 いや一年草だから草ということになる。
大麻の用途って、別にハイになるためにあるわけではない、一部の宗教用途を別として別にハイになるために農家が栽培していたわけでもない。
主に繊維の用途として農作物として栽培されてきた。
この大麻、繊維として優秀であるのみならず、農作物としても工業用途もある非常に有用な作物である。
ベンツやBMWは大麻プラスチックで作られているという、バイオプラスチックの原料となる。繊維だって紙にできるので木材と違って森林を破壊せずにいくらでも紙が持続的に生産ができる。
タネを絞った油はバイオディーゼル原料としても有用でかつてはこの油をそのまま燃料として自動車を動かすこともできた、潤滑油としても有用らしい、もちろん食用にも適している。必須脂肪酸をバランスよく含有して健康にも良い。こいつと天然塩があれば熱々のご飯何杯でもいける。
薬物としても有用で致死量はなく副作用も少ない。医療用途としても優秀、ステロイドなんか使わずに多発性硬化症の治療になる、がんやAIDSの鎮痛剤にもなる、あへん系鎮痛剤が効かない患者には福音だ。緑内障にも効くけど中島らもは逮捕された。
で、こうやっていいこと尽くしなのだが、逆にこれが合法化して普及していったらどうなるかというとなかなか複雑。
まず大麻の属性として非常にタフな草、雑草といっていい、農薬がいらない、荒れた土地でも痩せた土地でも勝手に生えてくる代物である。
環境問題としては、農薬漬けでないと生育しない木綿よりもはるかに優秀ではある。
一見よいことだが、農家にいろいろ指導して不必要な物まで売りつけて成り立っているJAにとってはどうだろうか?
カリフォルニアの土地はどうかしらんが、タバコなどは農家とJTががっちり契約し、昔の専売公社の時代など警察が来て栽培中のタバコ
の葉っぱ一枚一枚登録して管理していたという。
嗜好用大麻を解禁して税金を取るのならそこまで徹底して管理するべきだが、勝手に生えてくる、素人がプランターで栽培できるようなものをどうやって全部管理するのだろう?
まあ、あふれる広告宣伝費でもって大企業製の大麻をブランド化し、勝手に栽培するよりもトリップの飛びが違うよ!とイメージを消費者に植え付けるしかないだろう。
酒造業は完全に税務署に管理され醸造と同時に課税される、ビールが大企業寡占なのも税金を取る側としては管理が楽だ、徴税側だけの都合ではそのほうがよろしい。
地ビールよりも大メーカーのビールがうまいのと同じように、大企業のバイオ技術で自己栽培よりも良質の大麻が大量生産されればそっちが市場競争上優位に立てるからその可能性にかけるしかない。
だから日本で大麻を解禁して税金をとって財政の足しにするというのは可能だけれどもタバコやビールほども徹底が難しいかもしれない。
石油製品の代替になるのだから、そのまま農業が盛んになるとわざわざ輸入する石油の需要が減る、となるとますますドル需要が減って円高ドル安が進行すると、馬鹿の一つ覚えみたいに日本政府が保有している米国債の相対的価値も下がってくる。
日本は自国通貨が弱くなると喜ぶ珍奇な国だが、現実に輸出産業が主体だから深刻な問題にもなる。
石油会社の株も下がるし、雑草みたいなタフな草が医薬品として有用なのだからアロエが医者要らずなのと同じで製薬会社の株も下がるだろう。
アメリカで石油資本が、大麻喫煙が人間を凶暴にするというデマを流して大麻を禁止させたというのも納得できる。
大麻を害悪視することがなくなれば、大学生やスポーツ選手がバッシングされることもなく、マスゴミもネタがなくなって売れ行きが下がる、出版社や新聞社の株も下がるのかな?
大麻を取締ることでかかる、捜査、起訴、公判維持、刑務所にかかる税金の無駄遣いはなくなることは歓迎されるが、根拠もなく大麻は悪いものということにしておいたほうが都合の良い、厚生労働省官僚にとっては天下り先が減って困ることもあるだろう。
まあ、こういうふざけた対応しかできない天下り&渡り連中への社会的コストが減ることは歓迎できるが。
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=GtMqdaq_wNQ
となるとやはり大麻はあまりにも有用であるが故に、椰子を亡国の木と称したと同様、現在の国家の産業体制を大きく崩しかねない懸念があるが故に亡国の草という結論になる。
個人的には大麻農業の発展が日本にとって有益であると信じたいが、ある産業の興成が、社会全体の、または他の関係者について、必ずしも有益とはならないという例である。
政策を施行するときは、それが現実にどのように社会を変えるか?、人間の行動心理や経済学原理、そしてその対象物の特性までも理解しないと、実効性とバランスのある政策はとれない。
この投稿が時事問題じゃなく、カテゴリーは経営学であることをご注目願いたい。